CBDと医療

CBDに関する情報

CBDは様々な症状への対応力があるのと安全性についてWHO(世界保健機関)が発表していて、人間が本来持つ免疫力や自然治癒力を引き出すことを目的にして世界中で注目されております。

CBDオイルは、一般的にヘンプシードオイルと言われるものとは異なります。ヘンプシードオイルは大麻草の種(実)から搾られたオイルであり、カンナビノイド成分はほとんど含まれていません。

主に大麻草の茎から抽出されます。

分子構造からみるCBD

CBDは、大麻草に見られる天然に存在するカンナビノイドの1つです。CBDやTHC(テトラヒドロカンナビジオール)は、大麻草の中では元々CBDaやTHCaのような酸性のかたちで存在しています。それらに熱を加えることで、いずれの成分を抽出されます。

〈CBDa → CBD / THCa → THC〉

古い歴史を辿ると、人類の起源ごろから大麻草を食べる行為は行われていました。そのため、CBD単体よりもCBDaなどのカンナビノイド成分を同時に摂取した方が、効果や活性度は高くなることが分かっています。

多くの研究者たちは、CBD(カンナビジオール)という、病気の症状を緩和しつつもハイにはならない大麻の成分を研究しています。

CBDは細胞のカンナビノイド受容体と結合する、カンナビノイドという物質の1つです。通常この受容体は、体内で作られるエンドカンナビノイドという化学物質と反応します。

カンナビノイド受容体には2種類あり、それぞれ体内で異なったはたらきを見せます。CB1は脳内で、CB2は免疫システムや末梢神経系でそれぞれはたらきます。

基本的には脳や脊椎自身には神経がないため、カンナビノイドの効果は脳とそれ以外では大きく異なります。

これまで行われてきた大麻の研究は、主に向精神作用のあるTHC(日本で違法とされています)のみでした。ところが大麻には60種類以上ものカンナビノイドが含まれており、とくにCBD(カンナビジオール)という物質が非常に注目されてきています。

 

CBDも大麻の主要な成分であり、THCとは兄弟のような関係で、化学式も同じで原子の配置がわずかに異なるだけです。

しかし構造が異なっているためCBDはTHCとは違って向精神作用はなく、それどころか、カンナビノイド受容体に対しての阻害薬、ブロッカーとしての働きを持っています。

CBDのこの特性は、THCの向精神作用を抑制させ、副作用を軽減する効果がありますが、CBDとTHCが合わさると複数の成分の相互作用で生まれるアントラージュ効果という相乗効果が現れます。

さらにCBDは、カルシウムを細胞内に取り入れるGPR55により骨折の治りが早まったり、体温や痛みと関係のあるTRPチャネルといった種類の受容体とも結合し痛みの緩和効果があります。

CBDで治癒が報告された実験・事例

てんかん発作

CBDは、治療抵抗性てんかんに対する有望な治療薬です。治療抵抗性てんかんを患う子供を持つ親が参加した調査のなかで、84%の両親がCBDの摂取によって発作頻度が減少したことを報告があります。またこれらの子供には注意力の向上気分および睡眠の改善が見られましたとの報告もありました。きっとADHDにも効果があるんでしょうね。こちらの研究も進めて欲しいものです。

統合失調症

統合失調症はうつ病、認知症と並んで精神疾患を代表する病気の1つで、脳がずっと緊張状態になっていると考えられ、幻覚、幻聴、妄想を引き起こします。

脳内のドーパミンが原因の1つとも言われておりますが、これらの症状やドーパミンの放出に対し、CBDは受容体のブロッカーとしての作用があります。

酵素脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)は、アナンダミドの細胞内分解を担う酵素であり、CBDはこの酵素を阻害し、ドーパミンの作用をコントロールすることが示されています。

このようにしてCBDは、(その機能を調整することによって)アナンダミドレベルを回復させ、多くの疾患に見られる臨床性内因性カナビノイド欠乏を回復させます。統合失調症に対して、CBDを使い行われた臨床試験は、それが血清アナンダミドレベルの有意な増加を引き起こし、改善の要因であると考えられています。

ガン治療

CBDやその他カンナビノイドには抗腫瘍効果があり、標準治療を改善するのに利用することができます。CBDは複数の異なる子宮頸がん種においてがん細胞を良好に阻止しました。

また、THCにはがん細胞がエネルギーを作る能力を低下させ、がん細胞の死を引き起こす作用があります。

リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞ががん細胞を殺す働きを助け、白血病および結腸がんにおいて腫瘍細胞の死を増加させます。

またCBDは、グリオーマ細胞の成長や侵襲を低下させるので、抗腫瘍剤としてのCBDの役割の可能性が示唆されます。CBDは、乳がんや前立腺癌に対する併用療法において有望なツールである可能性があります。CBDには直接的な抗腫瘍効果、従来の抗腫瘍剤の有効性を向上する能力、緩和治療薬としての有効性などの特性があるからです。

不安症・PTSD・うつ病の緩和

CBDは、健康的な人と社会不安障害に苦しむ患者双方の不安を緩和します。研究では、CBDが演説によって引き起こされる不安や不快感を大きく軽減させることが示唆されています。またCBDは、THCの使用によって引き起こされる不安も軽減します。研究者は、CBDがパニック障害、強迫神経症、ならびに心的外傷後ストレス障害に対して有効的である可能性を示唆しています。

CBDは心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療における潜在的な治療薬です。

痛みの緩和

カンナビジオールは慢性痛の治療に対する新たな薬類となる可能性を研究が示唆しています。CBDはげっ歯類(ネズミ類)における慢性的な炎症や神経障害痛を大幅に軽減されたいことが報告されています。

 

カンナビジオールは、特にTHCと組み合わせた際、多発性硬化症リウマチ性関節炎神経障害痛に関連する慢性痛術後疼痛の治療に対して有望な結果を示しています。舌下スプレーとしてCBDとTHCを組み合わせたサティベックスは、多発性硬化症患者の神経障害痛や癌患者の進行した痛みの治療に有効です。

スポーツ界では激しくぶつかるスポーツや怪我などの痛み緩和、リラックスするために使用する選手が増えてきています。

 

 

WHOが発表した、効果が期待できる病気

現在のところ、純CBD使用に関連した乱用あるいは依存の症例報告はないとされており、治療目的で利用されることが一般化されてきています。

疾患効能
アルツハイマー病 in vitro 及び in vivo のアミロイドβ蛋白(Aβ)惹起性の神経
パーキンソン病ドーパミン作動性損傷の減衰(in vivo); 神経保護; 精神症状評価の向上
とアジテーション(不穏・興奮)、患者における悪夢と攻撃的行動の減少
多発性硬化症マウスにおける EAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎:Experimental
autoimmune encephalomyelitis)改善の徴候、抗炎症性と免疫調節特性
ハンチントン病トランスジェニックマウス(遺伝子導入マウス)モデルにおける神経保護作
用と抗酸化作用; 患者間に臨床的な有意差はみられなかった
低酸素虚血性脳障害短期的神経保護作用; 興奮毒性、酸化ストレス、炎症の抑制(in vitro と
げっ歯類動物モデル)
疼痛他の治療法に効果がみられない(薬剤抵抗性のある)神経因性疼痛を患う患
者における鎮痛作用
精神障害統合失調症の動物モデルにおける行動変化及びグリア(神経膠)的変化の減
衰; ケタミン誘導性の症状に対する抗精神障害特性
不安筋緊張、不穏状態、疲労、集中困難の減少、不安とストレスのげっ歯類動
物モデルにおける社会
抑うつ抑うつのげっ歯類遺伝モデルにおける抗うつ作用
がん広範囲に及ぶがんの種類における抗増殖及び抗浸潤活性; オートファジー
介在性がん細胞死の誘発; 化学予防作用
吐き気(悪心)吐き気(悪心)の抑止とラットにおける条件付きギャッピング(大口開け:吐
き気を意味する行動)
炎症性疾患いくつかの in vitro 及び in vivo モデルにおける抗炎症特性; 炎症性サ
イトカイン及び経路の阻害
関節リウマチ動物モデルにおける TNF-αの抑制
感染症メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する活性
炎症性腸疾患とクローン
in vivo 及び ex vivo におけるマクロファージ動員及び TNF-α分泌の抑
制; クローン病患者における疾患活性指数の減少
心血管疾患in vitro 及び in vivo における抗酸化及び抗炎症特性を通した梗塞サイ
ズの減少
糖尿病合併症心筋機能不全と繊維化の減衰

出典:世界保健機関(WHO)第39回 カンナビジオール(CBD)について

 

CBDの副作用はありますか?

201711月の、世界保健機構(WHO)の発表では、CBD成分の有用性について言及していることからも安全性が高いことが強調されています。

CBD は、現在フェーズIII試験において純 CBD 製品(エピデオレックス)を用いたいくつかの臨床試験 でてんかんの効果的な治療として実証されている。CBD が多くの他の健康状態のために有用な治療であ るかもしれないという初期的なエビデンス(科学的証拠)もある。

引用元:世界保健機関(WHO)第39回会議 『CBD(カンナビジオール)について』

また、各メーカーも臨床実験調査結果から鑑みて、CBDに副作用はなく、安心・安全だと報告されているものを販売しておりますので、ご安心ください。

また摂取方法を誤ったりすると、場合によっては吐き気嘔吐下痢膨満感などが起こり得ることがあります。

さらに、以下に当てはまる方はご遠慮ください。

1)血友病患者の方

CBDには、抗凝固剤(血液凝固を阻害する薬)としての作用があり、CBDを摂取すると血液凝固

剤の作用を阻害することが知られています。そのため、血友病(血が固まりにくくなる病気)などにかかっている場合は、CBDオイルを摂取しない方が良いと考えられています。

しかし、抗凝固剤とは食べ物のニンニクなどに含まれており、血液中の血小板が血栓を起こすのを防ぐことにより、心臓病や脳梗塞の危険性を減らす治療に使われているものです。

2)出産を控えている方へ

動物実験の結果から、THCは着床や排卵に影響を及ぼす可能性があるものの、CBDは妊娠初期には悪影響を及ぼさないことが確かめられています。また、CBDには子宮の収縮を抑制する効果があることが報告されており、出産時には何らかの影響を与える可能性があると考えられます。

①出生前 安全◯

2006年に行われた動物実験においては、CBDが妊娠初期のリスクと因果関係はないと報告されています。実験結果から判明したことは、THCが着床や排卵、胚細胞の死滅に何らかの影響を及ぼしており、その他のCBDとCBNに関してはまったく無関係であったということでした。よって、妊娠初期のCBDオイルの副作用はないと、一般的には考えられています。

②妊娠中 研究中△

2013年の研究で、出生前のCBD摂取で胎盤透過性が上がる可能性が報告されています。胎盤透過性とは、母体が摂取した薬剤などが胎盤を通過して胎児に到達する可能性を示唆したものです。培養された細胞で行われた実験となりますので、現時点では実際にヒトの体内でどのように作用するかは分かっておりません。

③出産 研究中△

出産産というのは、子宮の収縮が起こりますが、CBDには子宮の収縮を抑制する効果があることが報告されており、出産時には何らかの影響を与える可能性があると考えられます。そのため、早期分娩の際に、子宮を緩めるのに使われる薬品に、合成CBDは利用されるようです。

④授乳 研究中△

次に、カンナビノイド成分を内服した時の、授乳時における胎児への影響についてです。アメリカ国立衛生研究所のデータベース上のレポートによると、現時点では影響はないとされております。しかし、こちらも研究段階にあるのが現状です。

いずれも、実際にヒトの体内でどのような作用を及ぼすかは、明らかにはなっていませんが、CBDの摂取により胎盤の保護機能が低下する可能性や、母体が摂取した薬物や有害物質などが胎盤を通過して胎児に到達する可能性があることを示していることは事実です。

これらの可能性を考えると、妊娠中・授乳中の方には、CBDオイルの摂取を控えた方が良いと言えるでしょう。

3)他のお薬との併用される場合

CBDは、肝臓にあるP450酵素の活性を抑制して肝臓における薬物の代謝を抑制し、薬物の効果を増大させてしまう可能性があります。

血圧が高い人が血管拡張剤などを服用している場合、グレープフルーツを食べてはいけないと言われますが、これも、グレープフルーツに含まれる成分が、CBDと同様に肝臓中のP450酵素の活性を阻害することで、これらの薬物の代謝を阻害し、血中の濃度を増加させて、薬の効きすぎによる健康被害が現れるのを防ぐためです。

そのため、他の薬を服用している場合は、安易にCBDオイルを摂取することで、薬の効きすぎによる副作用が現れる可能性もありますが、CBDと薬物との相互作用は、体にとって悪影響があるばかりではなく、有益な効果を示す場合もあります。

いずれにしても、他の薬を服用している場合は、かかりつけの医師にご相談ください。

いかがでしたでしょうか。CBDが私たち人間の身体に非常に役に立ち、将来性のある成分であること、無限の可能性を秘めた、かけがえのない存在です。

まだまだ未知の部分もありこれから研究されていくことでしょう。

参照

CBD: Marijuana Without the High

What are CB1 and CB2 Receptors?

世界保健機関(WHO)第39回 カンナビジオール(CBD)について

CBD AND ITS VARIOUS BENEFITS: THE CANNABIS INDUSTRY’S GROWTH

CBDオイルの24つの驚くべき健康上の利点

CBDのオイルの副作用とは?